東北理学療法学
Online ISSN : 2189-5686
Print ISSN : 0915-2180
ISSN-L : 2189-5686
その他
アテトーゼ型脳性麻痺を伴う頚椎症患者に対してオーダーメイドにて頚椎装具を作製し良好な結果を得た症例
山内 唯舘山 智格長利 澪
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 37 巻 p. 43-49

詳細
抄録

アテトーゼ型脳性麻痺を有した頚椎症術後患者では,頚部の安静保持が困難であり,神経症状の増悪や頚椎装具不適合による褥瘡発生のリスクが高い。今回,既製の頚椎装具は適合せず,オーダーメイドの頚椎装具を作製する機会を得た。症例特有の筋緊張や不随意運動を踏まえ,術前から本症例に適した頚椎装具の形状や材質を検討し,装具の固定性と圧分散の両立を図った。さらに術後の経過の中で装具に改良を重ねた結果,懸念していた褥瘡が生じることなく,順調な経過を得た。今回の結果から,アテトーゼ型脳性麻痺を伴った頚椎症術後症例では,術前から装具の形状や材質を検討し,脳性麻痺患者特有の筋緊張や不随意運動に配慮した装具の調整が,術後の機能改善や褥瘡予防につながり,治療の一助となることが示唆された。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top