安佐動物公園飼育記録集
Online ISSN : 2759-6567
クロサイの後角裂開の早期修復例
屋野丸 勢津子畑瀬 淳林 臨太郎野田 亜矢子
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2016 年 39 巻 p. 10-14

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抄録
クロサイDiceros bicornis の角は通常出生直後から伸びはじめる.安佐動物公園で2012年に出生した雌(愛称:ユキ)もこれまでの個体と同様に前角は1つの塊として伸びていたが,後角は角坐で前後に分離した2つの塊として伸びはじめていた.このまま伸び続けると前後に裂けた後角になることが予測されたため,修復を試みた.修復は,個体への治療ストレスを最小限にするため,飼育担当者による物理的処置とした.最初の処置は,エポキシ系接着剤を前後に分かれた2つの塊の隙間に充填した後,角全体を接着剤で覆い,塗り固めるオーバーコートを行なった.しかし,角とぎや角あわせなどによる基部への裂開を接着剤では押さえ込むことができなかった.そこで,その後の処置として,後角の中心あたりにのこぎりで切れ込みを入れた.この切れ込みをいれることで,角内部からの吸水・膨張と角表面の乾草・収縮から起こる張力を開放することができた.その後,後角は1本の角として伸びはじめ,3か月後には裂開部が縮小し,1年後には角とぎによって切れ込みを入れた部分まで摩滅したので修復終了と判断した.修復期間は3年だった.
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2016 広島市安佐動物公園
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