安佐動物公園飼育記録集
Online ISSN : 2759-6567
アフリカゾウの繁殖に向けた試みについて
梅田 拓也川上 裕敏佐々木 直行栗原 龍太楠田 哲士
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2016 年 39 巻 p. 16-18

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抄録
広島市安佐動物公園では,サバンナゾウLoxodonta africana africana のタカ(雄,24歳),アイ(雌,33歳)を飼育しており,現在タカとアイの間で繁殖を試みている.2011年11月にアイを搬入して以降,アイとタカの行動観察による発情状況と,アイの血中および糞中プロジェステロンの動態に基づく発情周期から予測した推定発情期を参考に同居を行なったところ,タカのマスト期に限り,交尾・射精を確認しているが,妊娠を示す結果は得られていない.このことに対し当園では,アイの推定発情期中,日中の同居のみで夜間は別居させており,交尾できる時間帯が限られていたこと,また,タカが推定発情期前から連続して交尾・射精していることで本発情日(排卵LHサージ日)の精子濃度が低下していたことの2つの可能性を考え,これらに対して,2014年から新たな試みを行なった. 交尾できる時間帯が限られていたことへの対応策として,2014年6月23日から24日にかけて夜間を含む終日同居を行ない,精子濃度が低下していた可能性への対応策として,推定発情日前の同居を控え,行動的に発情が最もピークだと推察された日(2015年4月2日)からの同居を行なった.その結果,終日同居はタカの活動量が著しく低下し,交尾・射精も確認できなかったため,有益ではないと考えられた.アイの発情が最もピークだと推察された日からの同居では,初めて一度の同居中に2回の交尾・射精を確認するなど今まで見られなかった行動が観察された.しかし,その後妊娠を示す結果は得られていない.今後は,さらに同居のタイミングを検討していくことに加えて,交尾が確認されていないマスト期以外でも交尾を成功させるため,タカがアイに対してより積極的になれるような方法も検討していく必要がある.
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2016 広島市安佐動物公園
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