抄録
マオリ男性430名,女性236名の指紋成績を報告する。マオリは渦状紋が特に多く,蹄状紋と弓状紋が非常に少ないことを特長としている。各紋型の出現頻度(%)は次の通りである。渦状紋 蹄状紋 弓状紋男性 68.77 30.77 0.46女性 63.47 35.89 0.64
純血とそれに近い Tuhoe マオリの渦状紋頻度(男性:77.08%,女性:68.6%)は欧人との混血マオリのそれより多い。純マオリの指紋成績は中央ポリネシア人(ソシエテ群島)に,欧人との混血マオリはサモア人に近似している。渦状紋の頻度がマオリよりも多いのは-中央ポリネシア人は別として-資料数少なく,且つ不充分な若干人種(ミンドロ島のアンギヤン,樺太のオロッコ)にすぎない。東部 Arnhemオーストラリア原住民の渦状紋頻度(男性:77.6%,女性:73.1%)は他のオーストラリア原住民より多い。東グリーンランドのエスキモーの渦状紋の頻度(男女計:72.2%)も多いが,これは恐らく資料が家族指紋によるものと思われる。
マオリに於いて同種指紋配合型相称性の高率なのは全指渦状紋配合型の多頻度による。但し,同種紋型をもつ対称指の全頻度は他人種と類似している。