人類學雜誌
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アフガニスタンのPashtunとTajikの歯の大きさについて
酒井 琢朗花村 肇大野 紀和
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1971 年 79 巻 2 号 p. 159-177

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抄録

アフガニスタンに住むPashtunとTajikの歯の歯冠近遠心径および頬舌径,さらにこれら計測値から算出される種々なる値について日本人の値と比較検討した.資料は石膏模型である.その結果,1)歯の大きさは一般にTajik,Pashtun,日本人の順に大きくなり明らかな人種差が見られる.この傾向は特に小臼歯および大臼歯の歯冠近遠心径において著しい.2)PashtunとTajikは日本人よりも相対的に近遠心径の小さな頬舌径の大きい歯を持っている.3)PashtunとTajikの歯の退化程度は,小臼歯を除いて日本人よりも強い.この傾向は特に第2大臼歯において著しい.4)PashtunとTajikは相対的に日本人より大きな前歯と小さな小臼歯を持っている.

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