人類學雜誌
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79 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 鈴木 忠司, 赤沢 威
    1971 年79 巻2 号 p. 105-127
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    東京大学西アジア洪積世人類遺跡調査団は,1967年に,西アジア地方,主としてレバノン国シリア国で,旧石器時代遺跡の発見を目的とした第三次調査をおこなった(Note1).その際に,シリア国,シリア砂漠の北端に位置するパルミラ地方に於て特に組織的調査をおこない,あらたに46遺跡を発見し,約4,500点の石器を採集した(Fig.1).
    本稿は,このパルミラ地方で採集された石器群のなかで,当地方のPost-PalaeolithicIndustryに対応すると推定される資料を抽出し(SUZUKI and KOBORI,1970:51,92-101),その石器製作工程を復原したものである.分析標本は石核並びに石器製作の過程で生ずる種々の剥片である(Table1,Figs.2-11).
    その結果,石核を製作するための原石の加工から石刃の剥離作業に至る一連の作業を復原することができた(Fig.12).本工程の先史学的位置については,比較標本並びに同種の研究が乏しいために,十分に検討できないが,若干の点で極めて独特である.なかでも,石核の両端からおこなわれる石刃剥離作業がそれぞれ石核正面からみて左方向に偏する傾向を示し(Figs.2,3,13,15),その結果,例えば,Parallel-sidedflake等の特異な剥片が生ずる点である(Fig.8).
    分析材料が表面採集品であるがために未解決の問題が多いが,近い将来発掘標本の分析あるいは実験的研究等を通してさらに検討したい.
  • 岩野 泰三, 四元 伸子, 西田 利貞
    1971 年79 巻2 号 p. 128-138
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    本報告は,ニホンザル野生群の初冬における日周活動リズムを量的に解明しようとしたものである.調査対象群として,1960年以来餌づけされている高宕山第 I 群の第2次分裂群が選ばれた.この群れは,人間に慣れているうえに,完全に野生の生活を送っているので,調査対象として好適であると思われた.1970年12月における2週間の追跡調査の結果,(1)群れは,この時期に食物としてクズの堅果に主として依存し,(2)群れの1日の遊動距離は,地図上で0.8~2.1km(平均1.2km)であり,(3)一日に3度の主要な採食時間帯をもっていたことが明らかとなった.
  • 岡田 宣子
    1971 年79 巻2 号 p. 139-150
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    示數7項目を用い,日本人(5歳~20歳,各年齢男女各100名)の身体比例の年齢的変化を観察した.また,示数7項目を組み合わせて身体比例に基づく年齢区分を試みた.その結果,示数項目の年齢による変化様相は男女とも3つの型(増加型,減少型,増加•減少型)に分類出来る.身体比例は年齢とともに変化してゆくが,各年齢の体型を特徴づけて考えると類似した体型を一括することが出来る.そこで Table3のように,身体比例に基づく年齢区分を行なった.
  • 左手第3指末節手掌面と同背側面の比較
    木村 邦彦, 山下 靖雄
    1971 年79 巻2 号 p. 151-158
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    男子19名について,寒冷血管反応の手指皮膚温測定部位の左手第3指末節手掌面と背側面とを,反応曲線の経過と同曲線の温度に関する4特性から比較検討した.両者の反応の経過はよく平行するが,一般にこれまでよく用いられてきている背側面よりも手掌面の反応がより鋭敏であり,測定部位としてより秀れていることを知った.
  • 酒井 琢朗, 花村 肇, 大野 紀和
    1971 年79 巻2 号 p. 159-177
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    アフガニスタンに住むPashtunとTajikの歯の歯冠近遠心径および頬舌径,さらにこれら計測値から算出される種々なる値について日本人の値と比較検討した.資料は石膏模型である.その結果,1)歯の大きさは一般にTajik,Pashtun,日本人の順に大きくなり明らかな人種差が見られる.この傾向は特に小臼歯および大臼歯の歯冠近遠心径において著しい.2)PashtunとTajikは日本人よりも相対的に近遠心径の小さな頬舌径の大きい歯を持っている.3)PashtunとTajikの歯の退化程度は,小臼歯を除いて日本人よりも強い.この傾向は特に第2大臼歯において著しい.4)PashtunとTajikは相対的に日本人より大きな前歯と小さな小臼歯を持っている.
  • についてのその後の検査成績
    中嶋 八良
    1971 年79 巻2 号 p. 178-181
    発行日: 1971年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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