抄録
双生児の組内類似度の表現法としてのVERSCHUERの百分率偏差法を再検討したところ,個人差の大きい計測項目では大きな値に,個人差の小さい項目では小さな値になることがわかったので,個人差を取り除くため,変異係数の逆数を乗じて重みづけし,さらに正規分布に近づけるため平方根変換したものを訂正百分率偏差と呼び,その平均値を類似度係数と呼ぶことを提案した。46組の一卵性双生児について27生体計測項目および24示数の類似度を類似度係数を用いて検討した。従来最もよく似ているとされていた頭囲が実はさほどでなく,似ていないとされて来た体重がよく似ていること,プロポーションよりも実サイズの方がよく似ていること,などを明らかにした。