抄録
立位,支持棒付立位(支持棒を聲溝上部にあて,それに体重の一部をかける立位)そして碕坐位の各作業姿勢で配線東作成の反復作業を行っている婦人労働者12名を対象に,姿勢間の疲労現象の差異について検討した。自覚症状しらべ(産業疲労研究会編)の愁訴率(勤務前後測定)は,立位作業と支持棒付立位作業が椅坐位作業より高い傾向を示した。ブリッカー値(逐次測定)は,姿勢間に差を認め得ないが単調作業特有の変化を示した。膝蓋腱反射閾値(勤務前後測定)も,姿勢間に差を認め得なかった。作業のエネルギー代謝量を最大酸素摂取量に対する比率で示すと立位作業が20.7%,支持棒付立位作業が19.4%,碕坐位作業が16.7%であった。立位作業と碕坐位作業の間に,有意差が認められた。