人類學雜誌
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北陸日本人下顎骨の年令差について
20才代,30才代,40才代の比較
森沢 佐歳松田 健史武田 公男
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1981 年 89 巻 4 号 p. 439-456

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抄録

北陸地区在住日本人の下顎骨を20才代,30才代,40才代とに男女別に3大別し,おもに左側面輪郭図より計測し年令差を検討した。
1)最も加令的変化の著しいものはオトガイ隆起の突出度であり,男女性とも20才代より30才代にかけてその突出は弱くなるが,40才代で男女性によって差がみられ,男性では強くなり,女性では弱くなる。
2)下顎頭の形態は男性で加令的に丸味を帯び,女性では20才代,30才代の短楕円形より,40才代の長楕円形に変化する。
3)男性では,下顎底接線に対する歯槽縁線の傾斜が30才代で強くなり,下顎体が40才代で高くなる。女性では,加令的に下顎枝が高くなり,左右側の下顎角の幅が狭くなる。

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