いわゆる「やせ」は身長にたいして除脂肪量が減少している状態であるという認識のもとに,身長にたいする除脂肪量の相対成長式を用いて,やせの基準を作成した.小学校,中学校,高校に在学する6歳から17歳までの児童,生徒約8700名を対象にして生体計測をおこなうとともに,体脂肪率と除脂肪量を推定した.身長にたいする除脂肪量の相対成長式を男女別に求めると,相対成長係数は男2.83,女2.82であり,統計的には有意差が認められた.相対成長式における推定の標準誤差(SEE)を用いて,相対成長式の下方2SEEの位置をやせとそれ以外のものの境界とみなし,男女別,身長別にやせの基準を作成した.このような基準に基づいたとき,やせと肥満を合併しているものの存在が明らかとなった.