人類學雜誌
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体重心線を写しこんだ全身X線撮影装置
鈴木 裕視足立 和隆
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1988 年 96 巻 3 号 p. 379-387

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抄録
ヒトを対象とした X 線写真撮影法は,専ら病気の診断のために開発されてきたものであるが,人類学でも,形態学,機能形態学,バイオメカニクス,動態学の分野において,非常に有用な計量的,計質的な解析方法のひとつである.狭い範囲のX線撮影(最大でも28×71cm)には,医療用に開発された装置が流用できるが,それ以上,とりわけ全身の X 線撮影ともなると,それに適した装置類を開発しなければならない。さらに計量的解析にも十分に利用できるように一定の基準化された撮影条件を設定する必要がある。
今回,筆者らが開発した装置は,直立位における全身の X 線写真を撮影するためのものであり,撮影条件も基準化した。さらにフォースプレートを利用して,撮影像には体重心をとおる地面に垂直な線が写しこまれるようにしてある.この重心線は骨格の機能的な解析に,非常に役立つ.
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© 日本人類学会
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