抄録
新しい学習指導要領が施行されて新課程がスタートし,高校生物では人類学教育について進展が見られたが,その他の教科や小中学校における自然人類学に関する記述は増えていない。教科書の学習内容が増えたことで,発展的学習を取り入れる余地はむしろ減少している。このような状況下,人類学教育の普及のためには,人類学者からの働きかけによる学校との連携が欠かせない。日本モンキーセンターでは,博物館活動の一環として,学校と連携した学習プログラム作りをおこなってきた。1)学習指導要領・教科書の研究,2)教員との密なコミュニケーション,3)子供の興味を引く教材開発,4)子供のレベルに合わせた言葉遣い,といった点に留意しながら,学校との継続的な関係作りに取り組んでいる。