Anthropological Science (Japanese Series)
Online ISSN : 1348-8813
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最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
総説
  • 木村 賛, 荻原 直道
    原稿種別: 総説
    2026 年134 巻 p. 1-14
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/02/18
    [早期公開] 公開日: 2025/12/12
    ジャーナル 認証あり

    日本の人類学における「人類生体機構学」研究のうち,特にロコモーションに関する実証的研究分野の展開を概観した。形態学のみあるいは生理学のみに立脚した研究は除いてある。国外で行われた研究の引用は必要最小限に留めている。この分野の1982年までの研究発展はOkada(1983)およびKimura(1983)の総説にまとめられているので,本稿では主に1983年以降2025年までの発展を中心に記した。研究はここでは主に,①直立二足歩行の獲得と進化過程の解明,②霊長類特有の四足歩行の力学的特性の解明,③骨格・筋・靱帯など運動器系組織のバイオメカニクス,の三領域に大別されている。第一の領域には非ヒト霊長類の二足歩行を含む。第二の領域は水平面での移動ばかりでなく,樹上三次元移動を含んでいる。第三の領域では上記1983年の総説記載当時は少なかった軟部組織の研究が増加している。新しい計測技術と解析手法の大きな発達にもよって研究は進んでおり,ヒトを含む霊長類ロコモーションの理解は大きく進展したが,直立二足歩行の起源と進化の解明,そしてその生体機構的側面の理解について依然として多くの課題が残されている。この分野の今後のさらなる発展が期待される。

  • 鈴木 隆雄
    原稿種別: 総説
    2026 年134 巻 p. 15-31
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/02/18
    [早期公開] 公開日: 2026/01/20
    ジャーナル 認証あり

    日本における古病理学研究の歴史は130年以上遡り,最古の研究成果はアイヌの骨に見られる梅毒による骨の変化に焦点を当てたものである(Koganei, 1894)。日本の古病理学研究史におけるこの黎明期(1890年代から1920年代)は,「古病理学」という用語の導入と,「石器時代」(ほぼ縄文時代に相当;紀元前14,000年~紀元前300年)の人骨に比較的高頻度に見られる外傷,良性骨腫,変形性関節症などの病変の記述によって特徴づけられる。

    第二次世界大戦後の1950年代から1960年代にかけて,日本の古病理学は再び日本人の成立と疾病の関わり,なかでも外傷に関する研究が進展した。特に西暦1世紀初頭の縄文時代から弥生時代への移行期において,大陸からの渡来人によってもたらされた金属器の導入と稲作の普及そして人口集中などの新たな社会構造が移行するなかにあって,単に身体的形質の変容のみならず,古病理学的観点からも,金属器による戦闘外傷に関する研究などが進んだ。

    1970年代以降,古病理学研究は大きく発展を遂げ,特有の骨侵襲をもたらす悪性骨腫瘍や感染症(特に結核,梅毒,ハンセン病),先天性疾患,加齢に伴う退行性骨関節疾患(変形性関節症),そして特有の生態環境や生活習慣に起因するストレスマーカなど,幅広い病態にまで及ぶようになった。研究対象となる疾病の特性や対象とする骨格集団の規模,骨格の数が増えるにつれ,研究は症例報告にとどまらず,異なる時代や地域の骨格母集団を対象として疫学的な分析研究へと拡大し,日本列島における時代や地域における集団の健康問題や疾病流行の特徴が解明され始め,2000年以降のより多面的な研究の進展につながっている。

寄書
  • 矢野 航
    原稿種別: 寄書
    2026 年134 巻 p. 33-37
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/02/18
    [早期公開] 公開日: 2026/01/21
    ジャーナル 認証あり

    高等学校の生物学教科書における自然人類学分野の記載についての国際比較を行った。自然人類学分野を取り扱う高等学校生物学の内容について,日本とイギリス,アメリカ,カナダ,ドイツ,フランス,中華人民共和国(中国),大韓民国(韓国),台湾の教科書を取り上げ,定量テキスト比較を行った。その結果,現在の日本の教科書の内容が相対的に充実していることが分かった。その一方,イギリス,カナダ,中国,韓国,アメリカの一部のように,自然人類学分野の取り扱いがほとんど除外されている現状が明らかとなり,高等学校における生物進化教育には他の分野より顕著な政治,宗教,世論に対する脆弱性の存在が示された。次期指導要領改訂時には,自然人類学分野の維持を基盤として,ドイツ,フランス,アメリカの一部の教科書に見られる人類進化をより包括的に理解させる図表を使うなどの充実した内容を参考に,新たな分野や教育内容の導入を提言すべきであると考える。

  • 松村 秋芳, 矢野 航, 市石 博, 米田 穣
    原稿種別: 寄書
    2026 年134 巻 p. 39-46
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/02/18
    [早期公開] 公開日: 2026/01/21
    ジャーナル 認証あり
日本人類学会「若手会員大会発表賞」受賞対象発表要旨
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