日本および台湾産のヒシガタグモ属とヒメヒシガタグモ属 (クモ目: ヒメグモ科)
1994 年 43 巻 1 号 p. 5-25
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1994 年 43 巻 1 号 p. 5-25
1993年春, 私は宮崎でとても変わった Episinus (ヒシガタグモ) の1♀を採集した. この機会に, 日本および台湾産の Episinus をたくさんの標本に基づいて調べた結果, このクモが真の Episinus mirabilis (BÖSENBERG et STRAND, 1906) であることが認められた. そしていままで Episinus mirabilis とされている種は, 吉田哉 (YOSHIDA, 1985) により Episinus mirabilis のシノニムとされていた Episinus caudifer DÖNITZ et STRAND, 1906 であることが判明した. 更にまたこれらは Episinus tanikawai, spiniger および yoshimurai などと共にEpisinus 属のシノニムとされていた Moneta 属に移すべきことも明かになった. 本文では日本および台湾産の “所謂 Episinus 属” を Episinus と Moneta の2属に分けると共に, 既知の Episinus 属5種 [affinis (ヒシガタグモ), chikunii (チクニヒシガタグモ), kitazawai (シモフリヒシガタグモ), nubilus (ムラクモヒシガタグモ), punctisparsus] と Moneta 属5種 [caudifer (ハラナガヒシガタグモ), mirabilis (オナガヒシガタグモ), spiniger, tanikawai (ヤエヤマヒシガタグモ), yoshimurai] の再記載を行った. また新たに台湾から2新種 Episinus makiharai と Episinus yoshidai を記載した.
