Acta Arachnologica
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クロボシカニグモ Xysticus bifidus Paik の幼体発育と卵のう産出
宮下 和喜
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1999 年 48 巻 1 号 p. 49-55

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抄録

1996~'97年の2年間にクロボシカニグモの2令幼体を飼育した結果, 6~7月に出のうした幼体は8~9月に成体になったが, 8~9月に出のうした幼体は中~老令で越冬し,翌年の4~5月に成体になった.
1997年の5月から7月にかけてのいろいろな時期に野外で採集した雌成体を, 降雨や強風の日には餌を与えない条件下で飼育した結果, 平均84.2日生存し, この間に2~3回卵のうを産出した. 1雌の生存期間中における総産卵数の平均値は, 181.8個であった.
これらの結果にもとずいた考察から, このクモの野外個体群は, 年2世代を経過するものと, 年1世代を経過するものとの混じったものであると考えられた.

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