音声コミュニケーション研究会資料
Online ISSN : 2758-2744
2021年12月音声コミュニケーション研究会資料
中国語母語話者と日本語母語話者の中国語無声歯擦音知覚における知覚的手がかりの違い
布目 孝子宇都木 昭
著者情報
研究報告書・技術報告書 認証あり

2021 年 1 巻 2 号 論文ID: SC-2021-19

詳細
抄録

本研究は中国語普通話の3つの無声歯擦子音[c], [s], [s] の音韻的特性に注目し、中国語 CV 音節の摩擦子音 部分と後続母音部分の音響的特徴が知覚的手がかりとしてそれぞれどのように機能しているか、また[s] と [s]の弁 別しか持たない日本語母語話者の知覚的手がかりが中国語母語話者とどう異なるかについて、 中国語母語話者と中 国語を学ぶ日本語母語話者を対象に音声モーフィングによる合成音声を使用した知覚実験を行った。母語話者は、 中国語の音韻体系に基づいて子音部分と母音部分の情報を知覚的手がかりとして状況に応じて使い分けているのに 対し、学習者はどの場合においても子音の音響的特徴の影響をより強く受ける傾向があった。

著者関連情報
© 2021 本論文著者
前の記事 次の記事
feedback
Top