AUDIOLOGY JAPAN
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原著
人工内耳装用小児の初期聴覚・発話行動の発達的変容の分析
赤松 裕介廣田 栄子尾形 エリカ山岨 達也
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2014 年 57 巻 6 号 p. 670-678

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抄録

要旨: 当科にて4歳未満に CI 埋め込み術を行なった32例の術前から CI 装用後30ヶ月間の聴性行動 (MAIS) と発話行動 (MUSS) の発達的変容について以下の結果を得た。
 1) MAIS 評価は CI 装用後18ヶ月, MUSS 評価は CI 装用後30ヶ月時に70%を超えた。
 2) MAIS・MUSS 評価ともに領域により改善傾向が異なった。
 3) MAIS・MUSS 評価ともに初期改善にはいずれの領域も得点は50%未満だった。
 4) MAIS 評価の中期改善では聴覚入力の要請領域と音の検知・識別領域の改善が著しく, 後期
   改善に音声理解領域の向上を認めた。
 5) MUSS 評価の中期改善では意図的発声領域と家庭内音声使用領域, 日常音声使用領域の改
   善が著しかったが, 会話修復領域は後期に至っても得点は50%未満だった。
 6) CI 装用経過については, 領域毎の改善に注目することが重要と言える。

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© 2014 日本聴覚医学会
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