AUDIOLOGY JAPAN
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「小児および成人人工内耳のマッピングとリハビリテーションの体系化」
2~3歳代に人工内耳を装用した聴覚障害児の言語聴覚療法
―金沢方式によるハビリテーションプログラム―
能登谷 晶子原田 浩美外山 稔山﨑 憲子木村 聖子諏訪 美幸金塚 智恵子石丸 正三輪 高喜吉崎 智一
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2019 年 62 巻 2 号 p. 163-170

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抄録

要旨: 「金沢方式」による訓練を0歳~1 歳代より開始し, 訓練途中の2~3歳代に人工内耳を装用した小児聴覚障害児8例について, 人工内耳術前後の言語獲得経過を報告した。8例が最初に理解した言語モダリテイは手話であった。その後, 聴覚口話や文字の理解が進み, いずれの児も 1 歳代で可能となった。手話による助詞付き 2語連鎖文は 1 歳7ヵ月~2歳2ヵ月までに出現した。8例は術後 1 年を経ないうちから, 自発文での手話が少なくなり, 装用 1 年経過時には話し言葉のみで会話が可能となり, 健聴児が幼児期に習得する様々な文型の出現を認めた。以上より, 術前から文構造を意識した言語聴覚療法は, 高度聴覚障害児の言語発達を促進することが示唆された。

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© 2019 日本聴覚医学会
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