AUDIOLOGY JAPAN
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原著
ログデータを用いた人工内耳装用小児の装用状況と音環境の定量的評価
大西 晶子諸頭 三郎前川 圭子山崎 朋子玉谷 輪子藤井 直子藤原 敬三内藤 泰
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2020 年 63 巻 6 号 p. 531-538

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抄録

要旨: 人工内耳 (CI) 装用小児の装用状況と音環境についての知見を得ることを目的とし, 18歳未満の CI 装用小児100例のデータロギングから得られたログデータについて, 各項目の分布を調べ, 就学前群, 小学生群, 中高生群で3群間の比較を行った。

 CI 装用時間は, 年齢が高くなるごとに装用時間が長くなり, 中高生になると送信コイルの装用が安定した。音環境は, 雑音下の話声の方が静寂下よりも高い割合を占め, ログデータからも情報保障のための環境調整の重要性が示唆された。

 CI データロギングは, 一定数の結果を集積した値と, 個々の小児の経時的変化を医療者が把握し, 保護者や関連機関と共有することで, より個々の小児に即したハビリテーションを行うことを可能にすると期待される。

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© 2020 日本聴覚医学会
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