新幹線車掌乗務員530名を対象にアンケート調査と聴力測定を行い, 次の結果を得た。
1) アンケート調査で難聴などの異常を訴えたものの中から37名を選んで聴力検査を行ったが, 37名中15名は聴力に異常がなかった。アンケート調査ではとりこみ過ぎが多いことが判る。
2) 2,000Hz以下の周波数には障害は殆どみとめられない。
3) 4,000Hz 25dB以上の聴力損失を示したものは14名で, その中で明らかにC5dipを示すものは5名であった。この障害の発生率は久保の密閉車輌乗務員の障害発生率より少い。これらの障害は新幹線勤続を含めた国鉄全勤続年数の間の持続的騒音によって生じたものであろう。