1994 年 37 巻 3 号 p. 216-221
正常成人14名 (n=28) のABR速波における陰性成分の頭皮上電位分布地図を作成し, 陽性成分の電位分布と比較検討した。
NIとPI, NIIとPIIでは電位分布が異なっており, NIはPIIに類似した電位分布を示し, NIIは後頭部優位である点ではPIIに類似していたが刺激側による関係は逆転していた。 NIIIはPIIIに, NVはPVに類似した電位分布を示した。
したがって, ABRの陰性成分は先行する陽性成分の起源と必ずしも同一でないと考えられ, 陰性成分の臨床応用について検討する際には考慮すべきと思われた。