1994 年 37 巻 3 号 p. 222-228
ネンブタール麻酔下のモルモット大脳皮質聴覚領Anterior fieldにおける応答潜時分布について検討を加えた。 音刺激は記録側の対側耳より与え, 単一神経細胞応答を細胞外で記録した。 等周波数線上における数箇所の測定点で, 等しい音圧の純音トーンバースト (CF) に対するニューロン応答のピーク潜時を比較すると, 最も腹側もしくは腹側寄りの測定点でピーク潜時は最も短く, そこから腹側もしくは背側に向かうにしたがって潜時は延長した。 この傾向は刺激音の音圧によって大きな影響は受けなかった。 この結果は応答潜時についても, 機能的構造が存在することを示している。