AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
Print ISSN : 0303-8106
ISSN-L : 0303-8106
聴覚障害者のコミュニケーション手段の使用に関する実態調査
福田 友美子森本 行雄四日市 章
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 37 巻 3 号 p. 229-235

詳細
抄録

現在の日本社会における聴覚障害者のコミュニケーション手段の使用に関して, 先天性の重度聴覚障害者の集団を対象にして, 郵便によるアンケート調査を行った。 3740通の質問紙を発送したのに対して回答数は1696通で, 回答率は45%であった。 その結果次のことがわかった。
1. コミュニケーションの相手によって, 異なったコミュニケーション手段を用いていた。
2. 音声言語でのコミュニケーションが要求される場面では, 筆談を用いているものが多かった。
3. コミュニケーションの手段として, 手話が最も有効であり, 続いて指文字・読話・補聴器の順に有効性が高いという判断がなされていた。
4. 先天性の聴覚障害者であっても, 情報補償の方法として, 手話だけでなく文字による補償への希望も同様に多かった。

著者関連情報
© 日本聴覚医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top