1996 年 39 巻 4 号 p. 255-262
DPOAE (歪成分耳音響放射) の測定は, その測定用プローブに大きく影響されるがプローブの特性の研究は十分ではない。 そこで今回我々はILO92製と当科製のプローブ中のイヤホンとマイクロホンの入出力関係を調べてみた。 イヤホンに関しては供給電力の電圧一定で周波数を変化させた場合と, 周波数一定で電圧を変化させた場合の出力音圧を測定し, マイクロホンに関しては入力音の音圧一定で周波数を変化させた場合と, 周波数一定で音圧を変化させた場合の出力電圧を測定した。 マイクロホンの性能に関わるノイズフロアーは約-20から0dBSPLであり両者のマイクロホンの性能は実用に耐えるものと考えられたが, イヤホンの出力は約10kHz以上の高周波で低下し, DPOAE測定に微弱であると考えられた。 これらのことから両者プローブともイヤホンの改善が今後の研究に必要であろうと考えられた。