1997 年 40 巻 3 号 p. 189-194
調音結合が単音節明瞭度に与える影響を, 正常聴力者8名と感音性難聴患者12名を対象に検討した。 無意味2音節語表で調音結合を含む語表と含まない語表の間で語音明瞭度検査を行い, 以下の結果と結論を得た。 1) 調音結合を含む2連音節語音では, 第1音の明瞭度は第2音より低下する。 その原因は, 音節を連続発声するとき第1音が不明瞭に発音されることによっている。 2) 調音結合にともなう音響情報が欠落すると, 感音性難聴患者の明瞭度は大きく低下する。 その原因は, 第1音の母音が第2音の子音を遮蔽することによっている。