AUDIOLOGY JAPAN
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40 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 佐藤 一雄, 栗山 博通, 山下 敏夫
    1997 年 40 巻 3 号 p. 153-157
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    一側内耳破壊後のラット中枢聴覚系におけるNMDA型グルタミン酸受容体の各サブユニットmRNAの変化を, 脳幹での主要な聴覚中継核群である上オリーブ核群を例にとり検討した。 NMDAR1型サブユニットmRNAは, 破壊側のLSO, MSOおよびLNTBで銀粒子の集積密度の低下を認めた。 これらの低下は各神経核とも破壊後5日目に頂点に達し, その後しだいに増加を認め, 破壊後20日目には反対側とほぼ同程度の密度まで回復していた。 このNMDAR1型受容体の一過性の減少は, 内耳破壊によるグルタミン酸の過剰放出に対しての防御機構として働いているものと推測された。
  • 中田 誠一
    1997 年 40 巻 3 号 p. 158-163
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ヒゲコウモリの第一次聴覚野後部 (AIp) に関する特徴周波数分析より詳しい研究は, これまでされていなかった。 今回, 我々は, AIpにおけるニューロンの機能を知るために, 無麻酔下のヒゲコウモリのAIpに直径6-8μmのタングステン電極を挿入し, 単一ニューロンから活動電位を細胞外電位記録にて測定した。 刺激音には持続時間30ms, 立ち上がり一立ち下がり時間0.5ms, 刺激頻度5/秒の定常周波数 (CF) 音を用いた。 その結果, ニューロンはその周波数同調曲線から単一周波数同調ニューロンと複数周波数同調ニューロンに分けられた。 AIpニューロンの大多数 (90%) は複数の周波数に同調し, さらに60%のニューロンは互いの同調周波数比率が1:2という関係になった。 それらの結果とヒゲコウモリの会話音のCF成分との関係からAIpニューロンは会話音の解析の一助を担っているのではないかと推測された。
  • 川島 宣義, 阿瀬 雄治, 草刈 潤
    1997 年 40 巻 3 号 p. 164-172
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    入力音に対する出力音の歪みの現象すなわち非線形変換の現象をコンピューターにより作図し, DPOAE (Distortion product otoacoustic emission) の周波数が2f1-f2, 3f1-2f2等である理由と, 周波数2f1-f2のDPOAEが周波数2f2-f1のDPOAEより大きい理由について考察した。
    合成波の非線形変換後の波形がどのように聴覚で理解されるかを三角関数の展開で検討した。 蝸牛遠心性線維-外有毛細胞系の蝸牛基底振動抑制を仮定し, 能動的な蝸牛基底板振動抑制が行われれば結合音すなわちDPOAEが発生し得ると推察した。 2f2-f1より2f1-f2の周波数のDPOAEが発生しやすい理由は蝸牛基底板の周波数に対する非対称性によるものと推察した。
  • 斉藤 路子, 植田 広海, 柳田 則之
    1997 年 40 巻 3 号 p. 173-177
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    聴力正常な成人13名22耳を対象として, ILO88を用いてnonlinear刺激とlinear刺激に対する誘発耳音響放射 (Evoked otoacoustic emission, EOAE) を測定し比較検討した。 Total echo power (TEP), Highest peak power (HPP) の刺激音に対する入出力曲線は, 前述の2種類の刺激音に対して, ともに刺激音が24dBnHL以上ではほぼ一致し, 有意差は認められなかった。 代表的な同一症例について, fast componentにおいては12dBnHL以上の音圧で, slow componentにおいては24dBnHL以上の音圧で, 2種類の刺激音に対する入出力曲線はほぼ一致した。 EOAEの検出域値はnonlinear刺激に対する域値の方がlinear刺激に対する域値よりも有意に高かった (p<0.01)。 この域値差の原因としてnonlinear刺激に対しては域値付近のEOAEの線形性によって反応が消去されている可能性が推測された。
  • 原田 博文, 白石 君男, 江浦 陽一, 柴田 憲助, 坂田 俊文, 加藤 寿彦, 曽田 豊二
    1997 年 40 巻 3 号 p. 178-182
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    定年退職時の自衛官 (51-54歳) 114名を対象に, HEARING DISABILITIES AND HANDICAP SCALE (HDHS) によるアンケート調査と純音聴力検査を施行した。 純音聴力検査から難聴群 (約80%) と正常群 (約20%) に分けてHDHSスコアを検討すると, 有意差をもって難聴群のスコアが高い値を示した。 しかし平均聴力レベルとHDHSスコアの相関係数は0.31と相関の程度は低かった。 HDHSの設問別の検討では, 聴覚的なdisability (主に会話の聴取) を訴える者が多かった。
  • 高橋 和彦, 安積 靖敏, 木村 伸一, 和田 哲郎, 原 晃, 草刈 潤
    1997 年 40 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    レチノイン酸 (RA) は, 内耳性難聴の治療によく用いられるステロイドと生化学的構造上類似しており, 核内受容体を介してある種の遺伝子発現の制御に関与しており, 近年注目を集めている物質である。 今回我々は白色モルモットを用いて強大音負荷後毎日RAを腹腔内投与し, 1週間後に蝸牛神経複合活動電位閾値を測定し閾値上昇を比較し, RAの音響外傷に対する治療効果を検討した。 強大音として2kHz純音, 110dB及び115dB SPLを10分間負荷した。 RA投与量として200mg/kgとし, 対照群ではメタノールを投与した。 115dBの場合にはRAの効果はなかったが, 110dB負荷の場合には明らかにRA投与群の方が対照群に比べて閾値上昇は軽度であった。 これらの結果より, RAは比較的軽度の強大音負荷の場合に, 効果的な薬剤であると考えられた。
  • 小寺 一興, 平石 光俊, 三浦 雅美
    1997 年 40 巻 3 号 p. 189-194
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    調音結合が単音節明瞭度に与える影響を, 正常聴力者8名と感音性難聴患者12名を対象に検討した。 無意味2音節語表で調音結合を含む語表と含まない語表の間で語音明瞭度検査を行い, 以下の結果と結論を得た。 1) 調音結合を含む2連音節語音では, 第1音の明瞭度は第2音より低下する。 その原因は, 音節を連続発声するとき第1音が不明瞭に発音されることによっている。 2) 調音結合にともなう音響情報が欠落すると, 感音性難聴患者の明瞭度は大きく低下する。 その原因は, 第1音の母音が第2音の子音を遮蔽することによっている。
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