AUDIOLOGY JAPAN
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聴神経腫瘍に対するガンマナイフ治療の聴力への影響について
仲野 敦子仲野 公一沼田 勉今野 昭義
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2001 年 44 巻 6 号 p. 584-591

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抄録
1998年1月から2000年3月までに聴神経腫瘍に対してガンマナイフ治療を施行し, 3ヵ月以上経過観察できた聴神経腫瘍28例を対象として, 治療後の聴力の変化を検討した。 新鮮例13例中4例, 術後例15例中13例が治療前に聾であり, いずれも治療後に聴力の回復は認めなかった。 聴力残存11例のうち, 聴力の改善した例は2例あり, 2例とも6ヵ月までの早期に改善を認めていた。 聴力悪化例は3例あり, 1例は治療6ヵ月後までに急激に聴力が悪化し聾となり, その後改善が認められず聾のままであった。 残り2例は治療後より徐々に悪化していた。 現在まで聾となった症例は1例のみであり, 聴力温存率は90.9%であったが, 治療前にGardner & Robertsonの分類でclass 1または2であった5症例のうち, 治療後もclass 1または2であったものは3症例 (60%) であった。 聴力変化と, 腫瘍体積の変化には一定の傾向は認められなかった。
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