近年欧米ではハイリスク児だけでなく全新生児を対象とした聴覚スクリーニングが施行されるようになってきており, その方法として自動化ABR (AABR) や耳音響放射 (OAE) が用いられている。 当科では平成12年10月より250例の産科入院の正常満期産の新生児に対して入院時あるいは1カ月検診時に, 誘発耳音響放射 (TEOAE), 歪み成分耳音響放射 (DPOAE) を用いて聴覚スクリーニングを行った。 成果はTEOAEの陽性率は91.6%, DPOAEの陽性率は88.0%, 併用によるパス率は94.2%であった。 非パス例に対して1カ月後にOAE再検査を行ったが, 再検査で非パスであったのは2例でそれぞれ生後3カ月, 4カ月のABRで正常反応であった。