野生生物と社会
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カメラトラップをもちいた攪乱の少ないブナ林における哺乳類相の評価:白神山地の事例
江成 広斗江成 はるか
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2020 年 8 巻 p. 1-4

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抄録

 白神山地には日本海側冷温帯林を代表する景観であるブナ(Fagus crenata)林を主とした人為的攪乱の少ない生態系が広域的に残されてきた.そこで,本研究では白神山地北東部に位置する高倉森南域(40 ha,平均標高414.5 m)に50台のカメラトラップ(設定:昼間・夜間ともにカラー静止画,3枚連写,5分間インターバル)を空間的にランダムとなるように配置し,哺乳類相と,それらの種の出現頻度を記録した.調査期間は2010年の春から夏とし,カメラトラップの有効作動期間は合計で3,580カメラ日であった.その結果,合計で23,234枚の写真が撮影され,筆者らによる同定の結果,349回のカメラトラップの作動で撮影された703枚の写真に哺乳類(種レベルまで同定出来たものは10種)が撮影されていた.撮影頻度が高かった哺乳類種はニホンカモシカCapricornis crispus(174回作動:357枚)で,ニホンザルMacaca fuscata(75回作動:183枚)がそれに続いた.

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© 2020 「野生生物と社会」学会
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