応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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【報文】 収穫時期の異なるオキナワモズク (Cladosiphon okamuranus Tokida) に含まれるフコイダン含量の変動と構造の変化
辻 真喜須藤 裕介榎 牧子田幸 正邦小西 照子
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2013 年 3 巻 4 号 p. 248-252

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抄録

沖縄県で養殖されているオキナワモズク (Cladosiphon okamuranus Tokida) には硫酸化多糖であるフコイダンが含まれる。フコイダンなどの海藻多糖は免疫賦活活性など様々な生理活性を有することから,機能性多糖として利用されている。それゆえ,オキナワモズクは生食として利用されるほか,フコイダンの原料としても利用されている。海藻多糖は海藻の種類,生育場所,採取時期等の違い等によって,その構造や収量が変動することが知られている。そこで,沖縄県で養殖されているオキナワモズクを1月から5月にかけて採取し,収穫時期の異なる藻体から粗フコイダンを抽出し,分析を行った。その結果,フコイダン収量は収穫時期が遅くなるほど増加し,5月に収穫した藻体では,乾燥重量のおよそ30%となった。また,フコイダンの組成分析の結果,構成糖には収穫時期による差はみられないものの,硫酸含量および分子量は収穫時期により変動することがわかった。これらのことより,フコイダンを利用する際には,藻体の収穫時期を考慮する必要があると考えられる。

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© 2013 一般社団法人 日本応用糖質科学会
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