応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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【総説:応用糖質科学シンポジウム】 グルカンデンドリマーの合成と機能化
柳瀬 美千代久保 亜希子角谷 亮鷹羽 武史栗木 隆湯口 宜明門川 淳一
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2016 年 6 巻 2 号 p. 109-116

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抄録

グリコーゲンは,グルコースが高頻度に分岐して重合した天然のデンドリマー様多糖であり,その分子表面に存在する多数の非還元末端を機能化できれば,様々な分野への応用が期待できる.スクロースにスクロースホスホリラーゼ,グルカンホスホリラーゼ,およびブランチングエンザイムを作用させることにより,分子量が精密に制御された球状の単分子ナノ粒子であるグリコーゲン様多糖 (グルカンデンドリマー,GD) が酵素合成できる.さらに,GD粒子表面の非還元末端の選択的修飾は,グルカンホスホリラーゼと各種ヘキソース1-リン酸の反応により可能である.GDの非還元末端をグルクロン酸あるいはグルコサミンで修飾することにより負電荷,正電荷をGD粒子に導入できた.また,非還元末端グルクロン酸のカルボキシル基,グルコサミンのアミノ基は,糖鎖,タンパク質,ペプチドなどの機能性物質のGD粒子表面への選択的 結合に利用できる.GDおよびその非還元末端修飾技術は,糖質を医薬品利用するための非常に優れたプラットフォームである.

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© 2016 一般社団法人 日本応用糖質科学会
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