応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
Online ISSN : 2424-0990
Print ISSN : 2185-6427
ISSN-L : 2185-6427
【報文】 サケ鼻軟骨熱水抽出物の経口摂取による日焼け抑制効果
―無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―
後藤 昌史末川 裕花田 友香子柿崎 育子山本 和司加藤 陽治
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 6 巻 2 号 p. 138-146

詳細
抄録

サケ鼻軟骨 (Salmon Nasal Cartilage) (以下SNCとする) 熱水抽出物の摂取による日焼け抑制効果を,ヒト臨床試験により検証した.27歳から44歳の健康な成人女性を対象とし,SNC熱水抽出物400 mg/day,SNC熱水抽出物200 mg/dayまたはプラセボを8週間連続摂取させ,試験品摂取前 (0 w),摂取4週間後 (4 w),摂取8週間後 (8 w)および摂取終了8週間後 (16 w) の各時点において,紫外線照射後の最小紅斑量 (Minimal Erythema Dose,MED),最小黒化量 (Minimal Tanning Dose,MTD) を測定した.統計解析については,分散分析を行い,有意差が認められたものについてさらに多重比較検定を行った.その結果,MEDにおいて,SNC熱水抽出物400 mg/day摂取群は,0 wから16 wへの経時的な上昇傾向が認められたが,プラセボ摂取群との群間比較での有意差は認められなかった.一方MTDにおいて,SNC熱水抽出物400 mg/day摂取群は,プラセボ摂取群との群間比較において,8 w時点で有意に高く(p = 0.035),16 w時点で高い傾向(p = 0.077) であった.以上より,SNC熱水抽出物を1日当り400 mg (SNC熱水抽出プロテオグリカンとして169 mg),8週間摂取することで,紫外線によって皮膚が黒くなる日焼けを抑制し,紫外線による皮膚ダメージを軽減させる効果があることが示唆された.

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本応用糖質科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top