データ分析の理論と応用
Online ISSN : 2434-3382
Print ISSN : 2186-4195
論文
自由記述のカテゴリ化に伴う観点の飽和度としての捕獲率
豊田 秀樹大橋 洸太郎池原 一哉
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キーワード: 自由記述, 飽和度, 捕獲率
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2013 年 3 巻 1 号 p. 49-61

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抄録

心理学を始めとして,科学的なアプローチを重視してきた様々な学問分野の中で近年注目を集めるようになってきた研究の1 つに自由記述を対象とした分析がある.自由記述データは,その内に含まれる知見を得るために,質問紙調査の自由記述項目欄や,種々の質的研究法を用いて得られたデータを最終的にテキストとしてまとめ,その後の理論を構築するためにカテゴリ化を伴う際等に利用される.しかし現状では,知見の収集の達成の程度については客観的な指標が存在しない.そこで本研究では,得られた自由記述データについて,資源量推定の方法を用いて知見数と飽和度を示す捕獲率を推定する方法を提案した.分析には(株)日経BP コンサルティングが発表しているブランドジャパンの提供による,2 つの企業に対する2006 年から2010 年までの自由記述形式の印象調査の回答を用い,多くの知見数が集まるまでに必要な精読量を明らかにした.その結果,それぞれの精読に当てる全時間の20%,10%の精読量で,全ての知見の80%が収集できていることが示された.

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© 2013 日本分類学会
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