抄録
本研究では,スマッシュに共通する動作様式から逸脱した個別的な動作特性について検討した。被験者は関東大学1部リーグのチームに所属する男子選手8名とした。各被験者にスマッシュを行わせ,その際の動作様式をMAC3D Systemを用いて撮影した。得られた座標データをもとに上肢関節角度を算出した。さらに,ある選手の動きが平均値とどの程度異なるかを明らかにするために重み付きZスコアを算出した。その結果,ラケット腕側の肩関節外転,肩関節水平屈曲角度においてZスコアの値が大きい局面がみられた。これらの重み付きZスコアの大きい局面および部分は個人差が大きく,重要度が小さい可能性がある一方,そのばらつきがパフォーマンスの優劣に影響する重要なものである可能性があると考えられた。