介護職の77%, 看護職の64%もの人が経験する腰痛に対し, 簡単で効果的な実用的腰部負担軽減具は未だ開発されていない. 本研究は実用化を目指して簡単な構造の腰部負担軽減具を試作し, 力学モデルによる理論解析と評価実験を行った. 実験ではベッドから車椅子への移乗, 体位変換についての動作解析と, 脊柱起立筋の筋電図より試作品の腰部負担軽減効果を評価した. さらに椅子に座る, 床にあるものを回収するなどの日常動作についても装具を評価した. その結果, 試作した腰部負担軽減具は深い前屈姿勢での腰の負担は確実に軽減しながらも, 日常的な体の動きを拘束するものではないことを確認した.