バイオメカニズム
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2部 機能の補助
腱機構を用いた機械式下肢パワーアシスト装置
中山 学之荒木 洋輔杉本 幸夫藤本 英雄
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2010 年 20 巻 p. 111-122

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抄録

脚に運動疾患を持つ患者のリハビリトレーニングにおいては, 転倒を防止するとともに脚にかかる負担を軽減するための装置として, 患者自身の自重を任意の姿勢で完全に補償することのできる自重補償装置の開発が強く望まれている. このような装置として従来から, 天井吊り下げ型のものや, 動力を用いたパワーアシスト装置によって自重を完全に補償する装置はいくつか開発されてきたが, 将来的な在宅での長期リハビリテーションへの応用を考えた場合には, より軽量でかつメンテナンスが容易な, バネのみから構成されるリハビリ装置の開発が望まれる. そこで本研究では, バネの復元力のみで駆動されるコンパクトな機械式自重補償装置と, 特定の姿勢を維持することを容易にする機械式線形スティッフネス呈示装置を開発し, これらを組み合わせることで, 重度の筋力低下を伴う患者でも安心して使用することのできる下肢リハビリ装置を開発することを試みた. そして, 簡単な試験により, 開発したシステムが自重補償装置および線形スティッフネス呈示装置として正常に動作することを確認した.

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© 2010 バイオメカニズム学会
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