2012 年 21 巻 p. 65-77
重度障害者を対象とした福祉機器は, オーファン・プロダクツと呼ばれ, 利用者が少ないが故の多くの課題が指摘されている. 一方で, 重度障害者に先端技術を適用することで, 利用者の自立 (律) を飛躍的に高める効果が期待できる. 本研究では, このような重度障害者を対象とし, 個別対象開発指針を提案し, 利用対象となる当事者が初期段階から参加することにより, 効果的な機器開発を行った. 開発対象は, 音声検出・認識, 画像検出・認識, 筋電検出・認識, 力覚検出・認識技術を応用した4種類の電動車いすである. 脳性マヒ者, 筋疾患患者による試用評価の結果から, 開発した電動車いすの効果が示され, さらに開発プロジェクト終了後に実施した開発者への調査結果より, 当事者関与の有効性が示された.