バイオメカニズム
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2部 生理学・運動学
舌骨上筋群の収縮誘導を目的とした磁気刺激コイルの試作
森 仁八島 建樹小助川 博之出江 紳一高木 敏行
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2018 年 24 巻 p. 79-88

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抄録

現在, 多くの脳血管障害患者や高齢者が, 嚥下障害により食物の経口摂取に困難を抱えている. 著者らは, 末梢神経磁気刺激により舌骨上筋群を反復的に収縮させることが, 嚥下機能の回復につながると考えている. 現在, 市販されている磁気刺激コイルは, 刺激範囲が広範なため, 舌骨上筋群刺激時に下歯槽神経などの不要な部位まで刺激してしまう問題がある. そこで, 著者らは, 磁性体コアを用いた構造を採用することにより, 磁気刺激時に局所的な渦電流分布が得られる狭い範囲の刺激に最適化したコイルの設計・試作を行った. また, 試作されたコイルを用いた磁気刺激により, 下歯槽神経を刺激することなく大きな舌骨上筋群の収縮が得られることを確認した.

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© 2018 バイオメカニズム学会
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