ボールの行方を予測し,適切に移動する能力はボールを扱ううえで欠かせない.本研究は,幼児の運動能力,転がるボールを捕りに行く課題における反応時間と走行方向,およびサッカー遊びでボールを蹴る回数との関係を調査した.その結果,4歳児クラスではボール蹴り回数と運動能力に有意な正の相関関係が認められた.対照的に,5歳児クラスでは,蹴り回数と運動能力との相関関係は観察されず,蹴り回数と走行方向に有意な相関関係が認められた.したがって,4歳児クラスでは運動能力,5歳児クラスではボールへの適切なアプローチ方法を選択する能力がボール遊びに必要とされる.