主催: NPO法人バイオフィリアリハビリテーション学会, 共催, NPO法人高齢市民が活躍するための社会技術研究会, 後援, 厚生労働省, 愛知県, 豊橋市, 豊橋創造大学, 財団法人テクノエイド協会, 財団法人日本障害者リハビリテーション協会, 社団法人全国老人保健施設協会, 社団法人日本理学療法士協会, 社団法人日本作業療法士協会, 日本リハビリテーション工学協会, 日本生活支援工学会, 日本経済新聞社
p. 28
スロープの傾斜角度は建築基準法にて1/12勾配以下という最低基準が定められている。本研究の目的は自立走行を行うことを前提とした上で、この基準が望ましいものであるかを検討することである。対象は健常学生37名とした。スロープは高さを150mmに統一し、傾斜角度は1/15、1/12、1/6勾配の3種類を用いて実施する。被験者は普通型車椅子にて自立走行でスロープの昇り動作を行う。その際のスロープを昇りきるまでの駆動回数と主観的負荷量にてきつさの計測をした。その結果、全てのスロープ間において主観的負荷量に有意差がみられた(p<0.01)。1/15勾配が最も負荷量が低かったが、1/12勾配も比較的負荷量が低い数値を示したため、きついと判断されなかった。そのため、最低基準としては適切であるという考えに至った。しかし、スロープを使用する者の多くは、高齢者や障害を持つ者である。利用者の体力を考慮すると、できる限りの勾配の緩和が望まれる。