バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
第14回バイオフィリアリハビリテーション学会予稿集
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fNIRS利用の脳活動評価による下肢創動運動及び他動運動の特徴について 第1報
*滝沢 茂男白澤 卓二長岡 健太郎武藤 佳恭木村 哲彦
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p. 35

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抄録

日本国の経済状況はデフレであるとするものが多い。その改善に向け新規産業を立ち上げなければならないとする論調も多い。国による「ライフイノベーションによる健康大国戦略」は新規産業として、高齢社会に対応した新技術や新サービス創造に対する助成を進めるとしている。我々は多年、障害を持つ高齢者の自立生活確保こそ重要であるとして、高齢障害者の自立生活確立社会構築に向けた研究開発と啓蒙活動を実施している1)。本論ではあるべき研究を明示して申請したが拒絶された申請を示し2)、なぜ拒絶されたかを考察して、その解決策を示したい。我々の主張は社会生活の基準としての暦を始め人々の生活を律してきた天動説に対する地動説のごとく、高齢障害者の自立生活確立ための手法をこれまでの常識にとらわれず提案するものである。高齢障害者の自立生活確立のためには、リハビリテーション(以後リハ)医学の「障害の受容」概念を「障害の克服」に変える必要がある。多数決の理論は90%の多数決は90%正しいとされ、一つのコミュニティにあって100%の構成員が正しいとする考えはそのコミュニティの中では100%正しいのである。しかし天動説は地動説に取って代わられた。パラダイムシフトである。コニュニティの内部で100%正しいとされる考えが覆されるためには、そのコミュニティに属さない外部者の絶え間ない努力が必要で、さらにその努力を裏打ちする理論が証明されなければコミュニティ内の考えは変えられないのである。我々の進める創動運動は厚生労働省の審査官から「騒動運動」といわれ、先に示したこれまでの研究1)は創動運動の研究ではないと指摘され、評価は5点満点中最低点の「1点」であった。「コニュニティ内部で100%正しいこと」に反しているからと思われる。改革を行わず、このまま進めば高齢者は社会に依存する者になる。終末に至るまでに長期間依存するのである。持続可能な高齢社会を構築するためには、高齢者や高齢障害者が主体的に社会にかかわり続けなければならない。これを可能にすることこそ、「ライフイノベーションによる健康大国戦略」の実現であろう。しかし現状は述べた通りである。

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© 2010 バイオフィリア リハビリテーション学会
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