バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
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第17回バイオフィリア リハビリテーション学会
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公開講座 講演
ロボット介護機器と腰痛予防対策
本村 光節
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p. 7-

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抄録

近年の急激な高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護する家族の高齢化など介護ニーズが増大しています。また、介護現場では、介護に従事する方々の腰痛が大きな社会問題となっており、介護人材の確保・定着のための対策が急務になっています。このため、経済産業省と厚生労働省では、我が国の高度な水準のロボット技術を活用した障害者や高齢者の自立支援と介護従事者の負担軽減に資するための新しい機器開発・導入促進の取組みを開始しました。

当協会は、平成25年度から福祉用具・介護ロボット実用化支援事業として①介護ロボット実用化に関する相談窓口を協会内に開設②実証試験に協力できる施設・事業所等の整備③試作段階での専門職等による評価や実証試験の実施④介護ロボットの展示・体験等普及啓発の推進等を行います。

また、厚生労働省は、平成25年6月介護労働者の腰痛予防を図るための腰痛予防対策指針を19年ぶりに改訂し、公表しました。本指針を関係行政機関及び団体等に周知するとともに事業者に対し、行政指導することとしています。特に、社会福祉施設の介護従事者は7割以上が腰痛を有しているといわれており、労働災害としての腰痛もこの10年間で2.7倍に増加しています。社会福祉施設における腰痛予防対策は、介護労働に従事する者の健康確保に大きな課題となっており、実効ある予防対策が求められていたところです。

さらに、厚生労働省は、介護人材の確保定着を図るため、平成25年度から都道府県ごとに、地域における介護労働に関する多くの機関を集めて、情報交換等を行う「介護労働懇談会」の設置を進めており、腰痛予防対策は本懇談会でも重要なテーマになります。

これを機に、当協会としても介護実習・普及センター、経営者協議会や介護関係の施設協議会等と連携して、リフト操作の指導ができるリフトリーダー養成研修の実施を一層促進していきたいと考えています。

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© 2013 バイオフィリア リハビリテーション学会
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