風力発電施設がガンカモ類に与える影響を評価するための基礎情報を得るため,2017年に宮城県伊豆沼で 5羽のオオハクチョウと 2羽のオナガガモの飛行をGPSで追跡した.オオハクチョウは1kmあたり20m程度上昇し,オナガガモはより速く上昇した.オオハクチョウは着陸態勢に入るまではこの上昇速度で上昇しながら飛んでおり,より高い場所を飛ぶために,徐々に飛行高度を上げていることが示唆された.また,この上昇速度は,力学モデルから推定された持続可能な上昇速度よりは明らかに低かった.なぜ早めに上昇していないのかを明らかにすることが今後の課題としてあげられる.