Bird Research
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テクニカルレポート
総括:温度ロガーを使った鳥類の繁殖状況調査のすすめ
植田 睦之水田 拓村濱 史郎
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2007 年 3 巻 p. T29-T32

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抄録
今回の特集論文から,温度ロガーを使って鳥類の繁殖状況を把握できることが示された。温度ロガーを使うことで,調査者の労力をかけず,また,調査の鳥への影響を最小限にすることができる。また,調査者がいることにより生じにくくなってしまう事象,たとえば捕食を記録する上でも極めて有効な調査手法と言える。繁殖状況を記録するその他の方法としては,ビデオ映像を録画する方法があげられる.ビデオ録画より得られる情報は給餌量や食物の内容,捕食者の種など温度ロガーと比べて極めて多いが,データ処理に膨大な時間がかかる欠点がある。その点,温度ロガーはデータを直接コンピュータに取り込むことができるなど,データ処理が簡単にでき,また価格も安いので多くの巣に対して使用ができる。したがって必要な情報の質が温度ロガーで十分な場合は,温度ロガーが最も効率的な調査手法と言えるだろう.
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© 2007 特定非営利活動法人バードリサーチ
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