2014 年 2014 巻 41 号 p. 15-42
これまで「桜井家文書」といえば戦国大名北条氏に関連する一括文書として知られていた。天正十八年(一五九○)、北条氏の滅亡により桜井氏は結城秀康へ仕え、関ヶ原合戦後、秀康とともに越前国に移動、秀康没後は忠直などに仕えた。そのため桜井家には越前時代の文書も二十通程伝存した。後に桜井氏が越前を離れたこともあり、これらの文書は、その存在が広く知られず伝存されてきた。また忠直関係史料が多いこともあり、近世初頭の越前の歴史を解明する上でも重要な文書群といえる。本稿はこれら文書の紹介を行うとともに、幾つかのテーマを設け考察を加えた。