抄録
神奈川県三浦半島に分布する宮田層の大規模露頭が三浦縦貫道路の延伸工事で出現した。宮田層は谷状に侵食された不整合面と考えられる境界で重なる4 つの堆積物より構成されていた。このような侵食関係で重なる堆積物は宮田層では未確認であるが、大規模露頭が出現した多摩丘陵南部の相模層群では知られており、氷河性海水準変動によって形成されたと考えられている。宮田層と相模層群の堆積年代は重なっており、宮田層も同様の地層群である可能性が示唆される。また、出現した宮田層のうち最上位層に含まれる“船久保タフ(Fn)(塩井・笠間, 2018)”のレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析(LA-ICP-MS)フィッション・トラック(FT)年代は0.41 Ma であった。