抄録
社会保障制度の諸改革は,現状の少子高齢化の改善を目指すためのものであり,特に少子化対策は,出生数の増
加のための環境整備に主眼が置かれている.欧州における合計特殊出生率は,日本よりも高い水準であり,特にフランスの場合は,人口減少が生じないとされている2.1に最も近い水準である.さまざまな少子化対策が日本と比較すれば,効果を上げていると考えられるが,子育てを直接経済的支援する家族に関する諸手当は,日本とは,大きく異なっている.本稿は,家族手当について,欧州の家族手当と日本の社会手当およびその他の子育てのための経済的支援制度を比較し,少子高齢化の改善という政策に寄与しうる制度について,考察するものである.