抄録
助産師を目指す者の周産期メンタルヘルスを学ぶ機会の変化について明らかにすることを目的とし,2013年と
2023年の精神疾患合併妊娠に対する助産師教育用テキストの内容抽出を行った.助産師教育用テキストの対象とし
た医学書院「助産学講座」,日本看護協会出版「助産師基礎教育テキスト」ともに精神疾患合併妊娠に関する記載内容
は2013年より増加していた.2023年の助産師教育用テキストでは「精神疾患合併妊娠」は「特定妊婦」という表現へ変
化していた.2013年では病態生理や治療に関する記載が主でありケアに関する内容は少ない結果であった.しかし,
2023年では病態生理や治療に関する記載に加えて,妊娠期から切れ目ない支援の必要性・多職種地域連携の必要性
が記載されていた.その背景には周産期メンタルヘルスへの注目の高まり,周産期における虐待防止という視点が
あると考えられた.また,ハイリスク妊婦の増加から助産師の知識やアセスメント能力が求められるようになり,
カリキュラムの改正と至っていることも考えられる.周産期メンタルヘルスの課題に対し,産科的知識や育児に関
する知識をもつ助産師の担う役割は大きいものであることも影響している.