2025 年 75 巻 4 号 p. 143-155
近年BtoBビジネスでは,非接触型コミュニケーションの重要性が高まり,営業効率を上昇させる取り組みが盛んに行われている.一方で,購買プロセスに携わる部門が増えることで,部門間の連携やKPIの合意に課題が生じている.本研究では,部門間の合意形成や,BtoB企業のマーケティング施策設計において,サービスデザイン手法による顧客や購買ファネルの可視化施策が有用であることを提言する.提言を複数のBtoB企業に適用し,マーケティング施策設計や部門間合意形成に対する定性的効果の検証を行うとともに,WEBサイト刷新時の設計に提言を反映することで,刷新後にターゲットページのアクセスが増加する等の定量的効果がみられることが明らかとなった.