抄録
形式論理の矛盾律は,自然において自ずからの差異性のある個物の相対的不変性を認識して,それを法則化したものである.従って形式論理は非連続性のものにしか適用できない.運動(変化)や空間は連続性であるから,その限定には形式論理とは別の法則が必要である.我々は,変化を形式的に把握した法則である弁証法の法則をもって,存在の変化と認識の変化を整理しつつ,連続性のものの限定の法則を新たに作る必要がある.前回「連続性のものの限定について」(木更津工業高等専門学校紀要第11号)に述べたところを基礎に,いささかの体系的理解を試みた.